添乗員が実際に持っていく荷物リスト|40か国・10年で削ぎ落とした中身
添乗員の荷物は、自分のぶんだけではありません。お客様が困ったときに差し出すものまで含めて、それでも身軽でいる必要があります。走れないと仕事になりませんから。
10年、40か国。毎回持っていっては減らし、を繰り返してきました。いま残っているものを、そのまま書き出します。減らした結果の話なので、たぶん想像より少ないです。
大前提:預けない
10日間でも機内持ち込みだけで行きます。理由は3つです。
- 荷物が出てこない可能性を消せる。乗り継ぎがあるほど確率は上がります
- 到着後、ターンテーブルで20〜40分待たなくていい。これが毎回効きます
- 荷物が少ないと、行動が変わる。身軽だと寄り道ができます
目安は55×40×25cm・重さ7〜10kg。航空会社によって違うので、予約したら必ず確認してください。LCCは特に厳しめです。
書類とお金
- パスポート(残存期間の条件は国ごとに違います。半年あれば大抵は足ります)
- パスポートのコピー1枚と、スマホの中に写真1枚。置き場所は必ず分けます
- クレジットカード2枚。ブランドを変えて、財布とバッグに分けて入れます
- 現地通貨は最小限。空港で少しだけ替えて、あとは現地のATMかカードで
- 海外旅行保険の証券番号と緊急連絡先を、紙で1枚
紙にこだわるのは、スマホが使えない状況こそ、それが必要な状況だからです。落とした、割れた、充電が切れた、盗られた。そのときにスマホの中を見ろというのは無理な話です。
電気まわり
- モバイルバッテリー。預け入れ荷物には入れられませんので、必ず手荷物に
- 変換プラグ。国によって形が違います。行き先の形を先に調べておくこと
- USB充電器。差し込み口が複数あるものを1個
- ケーブルは予備を1本。いちばん壊れるのがこれです
- eSIM。出発前に入れておけば、着いた瞬間から繋がります
衣類は「3日ぶん」で10日を回す
ここが荷物の量を決めています。
- トップス 3/下着 3/靴下 3
- ボトムス 2(履いていく1本を含む)
- 薄手の上着 1。夏でも1枚。機内と屋内の冷房は容赦がありません
- 靴は履いていく1足+サンダル
洗う前提です。速乾素材を選んで、夜に洗って干せば朝には乾きます。「洗う」という選択肢を持つだけで、荷物は半分になります。
10日ぶんの服を持っていく人は多いのですが、10日ぶんの服は、10日ぶんの重さです。それを毎日運ぶことになります。
体調まわり
- 普段飲んでいる薬。処方薬は英文の説明があると、入国でも受診でも話が早いです
- 胃腸まわりの、飲み慣れたもの
- 絆創膏を数枚。靴ずれは初日に来ます
- 耳栓とアイマスク。機内と、壁の薄いホテルのため
薬の中身については、私は専門ではありません。持病がある方は、必ずかかりつけの先生に相談してからにしてください。
添乗員だから持っているもの
ここが普通の旅行者との差です。全部、実際に使ってきたものです。
- 大きめのビニール袋を数枚。濡れたもの、汚れたもの、割れたもの。何かあると必ず要ります
- ボールペンを3本。入国カードを書く場面で、必ず誰かが持っていません
- 爪切り。これ1つで、切る・削る・こじ開けるが済みます
- 予備の眼鏡かコンタクト。見えなくなると、その日が終わります
- 軽い折りたたみバッグ。帰りに荷物が増えるので
持っていって、要らなかったもの
- ガイドブック。重いです。必要な頁だけ写真に撮れば済みます
- 大量の常備薬。たいていの国には薬局があります
- ドライヤー。ホテルにあります。電圧の心配もしなくて済みます
- 大量に両替した現地通貨。余らせて帰ってくるのがいちばんもったいない
- 「念のため」の服。この一言で入れたものは、たいてい使いません
荷造りは、前日にやらない
3日前に一度、全部詰めてみてください。そして翌日、そこから減らします。前日にやると、不安から足す方向にしか動きません。
そして出発前日は、早く寝ること。初日をどう過ごせるかが、その旅全体の印象を決めます。荷造りより睡眠です。
持ち物より先に、決めることがあります
ここまで書いておいてなんですが、荷物で失敗する旅はほとんどありません。足りなければ現地で買えます。
旅がしんどくなるのは、たいてい日程の組み方のほうです。移動が多すぎる、初日に詰め込みすぎ、最終日に余裕がない。荷物はどうにでもなりますが、日程は現地では変えられません。
そもそも行き先が決まっていない方には、初めての海外旅行はどの国から?を書きました。難易度の順に並べてあります。
日程まで含めて相談したいときは、海外旅行のはなし(60分・オンライン)で受けています。行ったことのない国については、正直にそう申し上げます。
まずは、3日前に一度詰めてみる。ここから始めてみてください。
添乗員として40か国を回りました。「この国は自分に合うのか」「何日あればどう回れるか」。
ガイドブックに載っているのは"そこに何があるか"ですが、お話しできるのは"そこがどうだったか"です。
関東・関西でのご案内と、オンラインでの旅の相談を承っています。行ったことのない国については、正直にそう申し上げます。

